アルファ脳波を指標にしたメンタルトレーニング、脳力開発、ヒーリングなどの研究開発、指導を行っています。
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Q1.アルファ波って何?

A1.私たちの脳は、コンピュータのように電気的に動作して情報を処理しています。脳から直接この電気信号を取り出すわけにはいきませんが、表皮に電極を接触させて、脳の電気的な活動を脳波の形で観察することができます。
 脳波は振動波ですが、1秒間に何回振動するかの周波数で、デルタ波(0.4〜4Hz)、シータ波(4〜8Hz)、アルファ波(8〜14Hz)、ベータ波(14〜26Hz)の4種類に分類されています。境界領域で周波数が重なっていますが、あまり厳密に定義されているものではないようです。この中でアルファ波は、下図の右側の波形のように振幅が大きく、奇麗な調和振動をしていて、いかにも脳の中で、さまざまな神経回路がシンクロナイズして、集中活動しているように思われます。ベータ波は、左側の波形のように振幅が小さく調和のない複雑な波形で、いかにもたくさんの神経回路が関連なく分散活動をしているように見えます。
 事実、私たちが得意なことや好きなことに集中しているときには、前頭葉の部分の脳波からアルファ波が強く観察されますし、苦手なことやうまくいかないで気が散っているときは、ほとんどベータ波で支配されています。



 一般に、アルファ波はリラックスの脳波だといわれていますが、緊張しているときにも観察できますし、リラックスしていてもまったく観察されないことがあります。何事もアルファ波が強く出るような頭の状態で考えたり行動をしますと、集中できてうまくいきますから、アルファ波の条件付けをすると苦手意識が克服でき、能力開発に有効です。


Q2.
アルファ波はどこから出る?

A2.アルファ波の発生するメカニズムはまだ分かっていません。2つの学説があって、それぞれ決定的な検証ができないからです。

1、 脳幹の視床下部の視交差上核が一定のリズムを刻んでいるという観察があって、これが体内時計になっていて体のリズミカルな活動の担い手になっている、アルファ波の源もここにある、という考え方。

2、 たくさんの神経回路が独立に活動しているものの、ある神経回路が優勢な働きを始めると、関連する他の神経回路も引き込まれて共鳴し、その共鳴の周期がアルファ波の周波数領域にあるという考え方。

今のところはどちらなのか分かりません。
 いろいろな本の中には「アルファ波は右脳から出る」とか「後頭葉から出る」と表現したものがありますが、左脳からも観察できますし、前頭葉や側頭葉からも観察できますから、そのような表現をする人は、実際にご自分で脳波を計ったり研究したことのない人だといえましょう。
 



Q3.アルファ波が出ればリラックしている?

A3.臨床脳波の専門書には、「目を閉じて心静かにしていると後頭葉からアルファ波が強く計測される。目を開けたり考え事をするとアルファ波は消失する。これをアルファ波ブロックという。ゆえにアルファ波はリラックスの脳波と考えられる・・・」とあります。この記述が一般に知れ渡っているのだと思います。
 しかしアルファ波は後頭葉以外からも計測されますし、緊張していても計測されます。ですからリラックスを表す指標にはなりません。リラックスの定義が曖昧なので、このような紛らわしい表現が使われるのですが、体のリラックス状態は脳波では分かりません。
 体のリラックスは、筋肉の緊張度合の指標であるEMG(Electro-Myogram 筋電図)で評価されるべきです。心の緊張も、脳波で判定すると間違える可能性があります。心の緊張は、手のひらや足の裏などの精神性発汗部位での電気的な皮膚反射 (Electro-Skin-Responce や Galvanic-Skin-Reflectance)を観察すべきです。
 アルファ波は集中の脳波ですから、体が緊張していたり心が緊張していても観察されることがあります。ですから、アルファ波が出ているからリラックスできていると考えるのは間違いです。心も体もリラックスしていて、それでいてアルファ波が出るような状態こそ、実力が最高に発揮できる脳のコンディションだと考えます。



Q4.アルファ波の他にどんな脳波がある?

A4.脳波にはさまざまな周波数の波が混ざっていますが、技術的に(むしろ経済的に)測定可能な範囲は4〜24Hzの領域です。4Hz以下はデルタ波の領域ですが、振動がゆっくりしていてドリフト(測定系の時間的変動)と識別が困難です。24Hz以上は商用周波数(50、60Hz)がノイズとして混入しますから、これも識別が困難です。
 100KHzのスーパーベータ波が超能力の脳波だという話もありますが、ニューロンのインパルスの幅が1000分の1秒ですから、周波数に換算して1KHz 以上のものは脳波として存在しないはずです。検証不可能なことなので言いたい放題の世界ですから、あまり真に受けない方がいいと思います。 脳波の専門書では、

周波数帯 名  称 状   態
4Hz未満 デルタ波 深い睡眠
4〜8Hz未満 シータ波 浅い睡眠
8〜14Hz未満 アルファ波 安静状態
14Hz以上 ベータ波 覚醒状態

とされていますが、いささか頼りない感じです。これは健常者の脳波で、臨床では脳の異常を診断するわけですから、もっと複雑で、専門家はそちらの方に関心があり、健常者の脳波にはあまり興味がないようです。
 そこで、多くの能力者の脳波を測定した結果として以下のような分類を提案してきました。
バイオフィードバック研究Vol.91−91982

周波数帯 名  称 状   態
4Hz未満 デルタ波 深い睡眠
4〜8Hz未満 シータ波 浅い睡眠
8〜9Hz未満 スローアルファ波 無念・夢想の意識
9〜11Hz未満 ミッドアルファ波 リラックスした意識集中
11〜14Hz未満 ファストアルファ波 緊張した意識集中
13Hz以上 ベータ波 意識分散

 アルファ波を3種類に分けたのは、ハタヨガにおける前頭葉脳波を測定したのがきっかけで、アーサナではファストアルファ波が強く、サバーサナではミッドアルファ波が強く観察されたからです。


 スポーツ選手や音楽家、もの造りや表現、ひらめきや記憶など、分野は違っていても能力が発揮できているときはリラックスして集中していてミッドアルファ波が優勢になっています。



Q5.シータ波の方が集中できている?

A5.シータ波は、一般に浅い睡眠のときの脳波だといわれてきましたが、最近書物や講演で「瞑想中はシータ波が強く出る」とか「Fm-θ波が出ているときこそ集中力が高く能力が発揮できる」 と述べているものを見かけます。Fm-θ波とはFrontal-middline(眉間)の部分から計測されるθ波のこと。6Hz以下の脳波はα波のように共鳴振動しませんから、たくさんの神経回路が集中活動しているとは思ええません。しかし、7〜8Hzの中に強い共鳴が見られますので、これをα波と表現するのかθ波と表現するのか分かれるところです。
 実際に測定してみますとすぐに分かりますが、シータ波の周波数領域では瞬きや額の緊張などから発生する電気的なノイズの周波数と重なってしまうので、よほど静かにしていないと計測できません。話をしたり、ものを食べたり、計算をしたり、何かを作ったりしている時の脳波には6HZ以下の周波数のノイズが強く混入しますから、シータ波とノイズとを分離することができないのです。したがってシータ波の方が集中できているといえるかどうかは分かりません。
 幸いアルファ波の周波数はノイズより高いので分離できて動作中の脳波も分析が可能ですので、いろいろ実験してみるといいでしょう。



以上、文責 志賀一雅
 

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